パン種に注意せよ

ガラテヤの教会には割礼を勧めるユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者がいて、割礼を巡って争いが起きていました。それに対してパウロは「もし割礼を受けるなら、あなたがたにとってキリストは何の役にも立たない方になります」と告げ「キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく、愛の実践を伴う信仰こそ大切です」と書き送っています。

旧約の預言者エレミヤはこの世と妥協する偽預言者たちとは異なり、神の厳しい預言を語りました。23章26節で「いつまで、彼らはこうなのか。偽りを預言し、自分の心が欺くままに預言する預言者たちは、

互いに夢を解き明かして、わが民がわたしの名を忘れるように仕向ける」と語り、偽りの託宣で真の神から民を引き離そうとする偽預言者たちを糾弾しました。

マルコ福音書8章15節で主イエスは弟子たちに「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい」と語りました。これはこの世的に律法を自分の都合のよく解釈するファリサイ派とローマ帝国支配下のヘロデ王権を維持しようとするヘロデ党により四千人の給食という神の国の到来を告げる奇跡が変質してしまう恐れを注意せよとの意味でしたが、弟子たちはそれを理解できませんでした。

神の国は私たちのただ中にあります。この世と妥協して人々を死と破壊に導くパン種によって、神の支配の実現を妨げている者を遠ざけ、悪霊を追い出し、神の支配を実現することが何より重要なのです。